はじめに
出逢いは2018年8月12日。ワンオクをよく聴いていた時に、「出逢った日は二人にとって一番目の記念すべき日」という歌詞に妙に感化され、ペアーズのメッセージをさかのぼって日付を確認したのだから間違いない。8月12日という山の日とお盆の間の日こそ、わたしたちにとって一番の記念すべき日である。その日から今日まで本当にいろいろなことがあった。山あり深い谷ありだった。たくさん泣いたけどそれ以上にたくさん笑った。そんな波乱爆笑な出来事もいつかきっと忘れてしまう。忘れてから後悔しないように、覚えている間に備忘録としてここに記そうと思う。思い立ったが吉日、2024年4月某日、結婚式の打合せのために前乗りで泊まった博多駅近くのビジネスホテルにて。なお、これは妻側から見た物語であり、夫の目線からどう見えていたかはまた別の話であることを申し添える。
第0章 登場人物紹介
この物語の主人公である夫・けいしはまっすぐで心の根っこの部分がとてもあたたかい人だ。個人的に見た目はいかついのに、心のエネルギーでプーちゃん(ちっこい青いかわいいの)が育っちゃう幽遊白書の浦飯幽助のイメージ。お肉屋さんのブタのキャラクターがかわいそうすぎて見てられない人。広げすぎない深い友人関係。解説者かっていうくらいのサッカーと野球の知識量。ふと気付いたら本を読んでいる読書家。モノタスク型。いっきにたくさんは食べないがすぐに消費してお腹が空く、太らない燃費悪め体質(うらやましい)。外国人なのかと思うほどしっかり愛情を表現してくれる面と日本人的な古風な価値観を持ち合わせたハイブリッド型。
わたし、・ちおは「情熱と野心を持ちながらも繊細(誕生日大全/4月20日)」だ。楽しんだもんがちを指針に、やらぬ後悔よりやった後悔の方がいいを合言葉に自分の生きる道は自分で決めてきた。世界中みんな幸せになってほしいが、そんな器はないとわかったので今は半径1mの人を幸せにできたらなと思ってる。写真大好き。旅も大好き。器も家具も建築も気持ち良い空間が大好き。
第一章 出逢い
わたしたちの出逢いは、ペアーズいわゆるマッチングアプリである。当時わたしはまだ関東の某県庁に勤めており、入庁5年目の建築課の職員だった。いい意味でも悪い意味でもその環境に慣れつつあったが、このまま定年まで県庁職員でいる人生よりもさらっと辞めて海外とか行っちゃう方がきっと人生楽しいだろうと辞める覚悟を決めた時期でもあった。ペアーズを始めたきっかけは覚えていない。たぶん、Facebookの広告で出てきたペアーズに彼氏もいないしなんとなしに登録したのだったと思う。女性は無料だったし、人間関係がマンネリしていたので新しい人と出会って世界を広げたいとも思った。結果、いろいろな人と会えたし、自分自身の自己理解にも繫がったので良い経験だったと思う。後々、敬章にペアーズやってた目的の一つは自己分析って言ったら、嘘つけと一蹴されたけど、神に誓ってこれはほんとだ。グダグダ御託を並べてしまったが、この何人か会った内のひとりが今日わたしの横にいる夫である。正直、どちらが先にいいねをしたのかは覚えていない。
なんとなくメッセージをしているうちに、近々会おうといことになった。場所は関東某県の県庁所在地。わたしが行ってみたかったフレンチ。そして当日、まず、待ち合わせがうまくいかなかった。U駅を集合場所にしたはずが会えない。東横インが見えると教えてもらい、わたしが向かうことになったが、いない。あーあ、もうこれはだめだ帰ろうかなと思った時に、もしかしてJRのU駅ではなくて、私鉄のU駅にいるのではと気付き、なるほどと爆笑しながら私鉄のU駅に向かったことを覚えている。2kmほど離れているが、確かにどっちもU駅だ。どっちも近くに東横インがある。JRを使って来ると聞いていたので勝手に勘違いしてしまったが、行く予定のお店の最寄りは私鉄のU駅だ。今思えばけいしはなにも間違ってない。そんなドタバタの初対面だが、まだおわりではない。予定していたお店に向かったら[CLOSE]の文字が。予約しようとしなかったわたしたちが悪いが、なんだかうまくいかないなーが正直な感想だった。
そこで振り出しに戻って、歩きながらお店を探し、へんにこだわらずに、近くの神社に面した大通り沿いの唐揚げメインのお店に入った。たぶんまだある。そこで初めてちゃんとお互いの顔を見た気がする。その時にヘルメット焼け(あごひも部分だけ白い)が気になり、「日焼けした少年だなー」と思ったので、それをけいしの第一印象としている。そしてやっと落ち着いてお互いの話をした。
けいしは大手ゼネコン勤務の当時24歳で、O市に建築中の工場の施工管理をしており、現場近くのレオパレスに住んでいた。実家は九州で四人弟妹の一番上だということ、九州の大学出身であり、ブレイクダンスに熱中していたこと(今年のパリ五輪種目)、もうすぐダンスの仲間の沖縄での結婚式に参列すること、学部の友達と今でも遊んでいることなどいろいろなことを教えてくれた。わたし自身のことも同じようにぜんぶ伝えた。O市が実家であり、三人姉妹の長女であること。関西の大学出身で某県庁に勤めているがいずれ辞めてちょっとだけ海外に行きたいと思っていることなど話したと思う。いろいろ話して時間も過ぎ、お腹もいっぱいだしそろそろ帰ろうとなった。JRU駅まで歩き、電車の時間までデッキでなんてことない話をしてた。それでけいしを見送ってバイバイ。
正直、もう次はなさそうかなと思った。けいしはわたしの5つ下で、趣味も違うし恋愛対象にはならないのかなと思った。お互いに。これがわたしから見た出逢った日である。ただ、これがどうして結婚まで至るのだから人生はなにが起こるかわからない。だからおもしろいなーと思う。
続く
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